西川司さんの時代小説「重蔵」シリーズ第6弾発売【函館】
函館在住の作家、西川司さん(66)の長編時代小説シリーズ「深川の重蔵(じゅうぞう)捕物控ゑ」の第6弾「悪華の雫」(二見時代小説文庫)が昨年12月20日に出版された。今作も4話で新しい展開があり、重蔵の人情と同心らの機転で事件の謎を解き明かす。
警察小説や自身の自伝的児童小説、アルバイトで行ったイラクで見た地獄を基にしたサスペンス小説などで知られる西川さんの時代小説「重蔵シリーズ」は、2023年4月に第1弾を発売。江戸後期、深川一帯を仕切る庶民の味方、岡っ引き重蔵の捕り物帖(ちょう)で、同年末に大腸がんとの闘病があったが、24年は計3巻を書き下ろした。
江戸の風情と四季を悠長に感じる中で起きた事件、その裏に向かう中で続く謎や偶然のほか、一言で変わる登場人物の心象。心が騒ぐ取り押さえシーンから意外な結末を迎える展開が読みどころ。西川さんは「登場人物が自在に動いてくれるようになったが、前回までにない展開を考える苦労は増している」と生みの苦しみを話す。
今作は過去の約束と恨みが結び付く「悔恨」、複数の事件の動機が交差する「殺しの舫(もやい)」、高齢者の生きざまや心象がつづられる「孤老の闇」、そして初めて取り入れたというダイイング・メッセージ(被害者が亡くなる前に書き残すメッセージ)が手掛かりとなる「うそつき」。いずれも重蔵の情けが余韻として締めくくられている。
西川さんは「自分が江戸の住人になることで、江戸の雰囲気を大切にできる。読み手が『そうだよね』と感動できるようにしている」と話し、「小説など活字が売れない時代だが、函館の皆さまのおかげで好評が続いている。この輪が少しでも多く全国に広がってくれれば」と薦めている。
文庫判、288ページ。935円。全国の書店やオンラインで発売中。重蔵の第7弾を今年4月のほか、年内には他のシリーズも発売を予定する。
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