トラウトサーモン安定的生産に期待込め 浦河港内で養殖試験 浦河町栽培漁業研究会 事業化に向け可能性探る【浦河】
秋サケ漁の低迷などで漁業者への影響が広がる中、浦河町と日高中央漁協などでつくる浦河町栽培漁業研究会(松山亮久会長=同漁協参事=)が、浦河港内でトラウトサーモン(ニジマス)の養殖試験事業に着手した。
近年の異常気象による自然環境の変化などによって、漁業資源は総じて減少傾向にあり、燃油や資機材の価格高騰などの影響で、漁業者は厳しい経営を強いられている。こうした状況を打開しようと安定的な生産が期待できる海面養殖の事業化に向けた新たな取り組み。生存率や成長の度合などを見て可能性を検証する。
道内では道南の八雲町や釧路市などでトラウトサーモンの養殖事業が進められているが、日高管内では初の試み。概算の総事業費は3070万3300円。このうち令和6年度分は、生けすや資材、人件費などで2532万3500円を計上しており、北海道地域づくり総合交付金の活用を見込んでいる。
16日朝、浦河港の岸壁では同会の会員や漁業者が直径14㍍、深さ3㍍の円筒形の生けすに体長約30㌢、重さ約500㌘ほどのトラウトサーモンの稚魚約2000匹を放流。4時間ほどかけて稚魚を海水に慣らしたあと生けすを漁船で曳航して港内の北防波堤から約200㍍の海面に設置した。来年6月までの約7カ月間、漁業者が毎日朝と夕方の2回、餌やりを行い成長を観察する予定で、重さ約2㌔ほどまでに育てることを目標としている。
同漁協の髙田淳専務理事は「道南に比べて冬は海水温が下がるため成長には不安があるが、水温が上がる5月~6月にしっかり餌を食べて成長してほしい。今回の試験で育った魚はふるさと納税の返礼品などとして活用を考えたい。試験での生存率が高ければ本格的な事業化に向けて検討していきたい」と話した。
放流の様子を見守った池田拓浦河町長も「全道の秋サケの不振が続いている。それに代わるものとしてこの事業が成功することを願っている」と期待した。
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