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釧路新聞

ホッカイシマエビ漁始まる 伝統打瀬舟 湾内飾る【別海】

 【別海】野付湾で26日、ホッカイシマエビ漁が始まり、三角形の白い帆を張った伝統の打瀬舟(うたせぶね)が湾内を飾った。野付漁協によると、風が強く漁業者が漁を早めに切り上げたことから、初日は約320㌔(前年1・1㌧)出荷され、通常、午前と午後の2回ある競りも午前のみ実施。1㌔当たり7250~6500円(同7900~5350円)で取り引きされた。漁は10㌧を上限に7月16日まで行われる。

 当初は24日解禁だったが天候条件が合わず2日遅れの出漁となった。風の強さを確認した後、午前4時30分すぎに20隻が一斉に尾岱沼漁港を出港。漁場ではエンジンを止め、風向きを確認しながら帆を調整し、網を海中から船上にたぐり寄せて、体長9㌢以上のエビを手際よく選別した。

 「第八大幸丸」(1・6㌧)船主の安達隼人さん(42)は「初日としては漁はまあまあで、大きさも割と良い方だ。ゆでエビや刺し身にして味わってもらいたい」と笑顔で話していた。

 野付湾は水深が浅いため、エビが住むアマモをスクリューで傷付けないよう漁場では動力を止め、帆に受ける風や潮の流れを利用して網を引く江戸時代からの伝統療法が続けられており、この漁法は北海道遺産に登録されている。漁は夏(6月)と秋(10月)の年2回行われる。昨秋は事前の資源調査の結果、抱卵状況が非常に悪く資源確保のため中止していた。

写真/野付湾で始まった夏のホッカイシマエビ漁(26日午前5時10分ごろ)

 「味わい他と違う」競り終え転倒に並ぶ

○…午前の市場の競りを経たホッカイシマエビは、漁港近くの加工場で釜ゆでされ、正午すぎから店頭に並んだ。港内の大森商店で、赤くゆで上がったホッカイシマエビ500㌘を20パック、生のエビを3㌔購入した北見市在住の70代男性は「20年前から春と秋に来て買っている。酒のつまみに最高。打瀬舟で獲ったホッカイシマエビは味わいが他のと違い、沖漬けにしたらおいしいので、地元の仲間と味わいたい」と話していた。

写真/ゆで上がったホッカイシマエビの大きさなどを選別しパック詰めする販売店の職員

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