生徒たちと一緒に音楽づくりに取り組む木原さん（左）

　ジャズピアニストで作曲・編曲家の木原健太郎さん（２０２２年度釧新郷土芸術賞受賞者）と、釧路市立青陵中学校吹奏学部の生徒たちとの、音楽を通じた心のキャッチボールが続いている。３０日に同校体育館で共演し、共に創り上げた曲を発表する本番の日に向け、生徒たちは木原さんと一緒に音楽を奏で、一緒にアレンジをしながら音楽づくりに取り組んでいる。

　木原さんは釧路市内の小中学校で、児童生徒参加型の音楽活動として「ツナガル``音の環､､プロジェクト」を立ち上げ、今年度は湖畔小学校と青陵中学校で活動している。

　木原さんは青陵中の前身の旧緑陵中の出身で、旧武佐中との統合で誕生した青陵中の校歌を制作している。

　今回は同校体育館を会場に全校生徒の前でライブを開き、ピアノを演奏するだけでなく、同校吹奏楽部の生徒たちも参加してディズニー映画「アラジン」の挿入歌「ホール・ニュー・ワールド」と、ジャズのスタンダートナンバーの「Ａ列車で行こう」の２曲を共演することになった。

　 木原さんは生徒たちと出会った日について「自分のピアノ演奏を聞いて目をキラキラとされていた。始めは緊張していたが練習を重ねるうちに音が良くなっているのが分かる」と手応えを感じてきたという。

　顧問の下野麻実教諭もまた、「木原さんの生の演奏を聞いて生徒たちがとても喜んでいた。一緒に練習しているうちに確実に成長している」と生徒たちの前向きな姿勢を喜ぶ。

　当日の演奏は、木原さんのピアノのソロ演奏に続いて、フルートやトランペット、トロンボーンなど、それぞれのパートが音を重ね、さらに生徒たちのソロ演奏も予定されている。

　練習では木原さんが「堂々と構えて演奏してください。どうしようと不安に思っていると、それが波動となって広がってしまう。堂々と演奏を」と語り掛けると、生徒たちも素直に音楽づくりへ気持ちが前向きになり、仲間と心をつなげていくように演奏に集中していた。