道南ドクターヘリの常駐離陸実験開始へ 市立函館病院【函館】
道南ドクターヘリの基地病院である市立函館病院は、16日から11月15日まで、同院屋上に常駐させたドクターヘリの離陸実験を行う。現在は函館空港に常駐しているため、同空港に医師と看護師を待機させる必要がある一方、同院での常駐が実現すれば待機時間に別の業務に携わることが可能になり、医療現場の人員不足解消が期待される。
2015年に運航開始した道南ドクターヘリ。21年度には過去最高の466件の出動があり、397人の傷病者を受け入れた。このうち、基地病院である市立函館病院は全体の42%にあたる166人。このほか、ランデブーポイントと呼ばれる着陸地点が各市町に計302カ所設定され、同ポイントに着陸した場合は速やかに救急車に移送し、目的の医療機関へいち早く傷病者を運んでいる。
一方離陸場所については函館空港がヘリコプターの待機場所のため、担当の医師と看護師各1人は、緊急搬送に備えて空港に常駐し、待機時間は他の医療業務に携わることは難しい。そのため市立函館病院では、屋上にヘリコプターを待機させることを検討。今年度は3カ月の実証実験を行い、課題や問題点について検証していく。
同院救命救急センターの武山佳洋センター長は「医療スタッフに余裕ができることは、現場にとって大きなメリット」としながら、「離陸回数が増えることによる騒音問題なども考えられるので、地域住民の意見を聞きながら慎重に検討する必要がある。問題点をしっかりと解消しながら、一日も早い実現を目指していきたい」話している。
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