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函館新聞

「二海サーモン」商標登録 八雲のスーパーで常設販売も【八雲】

二海サーモンの常設販売が始まったマックスバリュ八雲店の売り場(八雲町提供)

 【八雲】町と地元2漁協が連携して取り組むトラウトサーモン(ニジマス)の海面試験養殖「北海道二海サーモンプロジェクト」で、町が特許庁へ出願していた「二海サーモン」が商標登録された。また、イオン北海道(札幌)は、マックスバリュ八雲店で二海サーモンの常設販売を始め、町民が地元の食材を食べられる機会が増えそうだ。

 試験養殖は2019年12月に始め、今年で3年目。日本海側の熊石地区は主力魚種のスルメイカやスケトウダラ、秋サケの漁獲不振が続いており、漁業経営の安定と地域の活性化を図るため、回転ずしなどのネタとして人気のトラウトサーモンを養殖し、北海道で初となる道産サーモンのブランド化を目指す。噴火湾側でも、ホタテ貝の大量死が起きるなど、生産が不安定な面があった。3年目の水揚げ量は、熊石と落部を合わせ13・5トン(熊石11・8トン、落部1・7トン)となった。

 町によると、イオン北海道が5月13~15日に実施した「道産デー」で、同12日に水揚げした二海サーモンを生で販売したが、マックスバリュ八雲店での数量が少なく、1日を待たず完売してしまった。今回、函館魚市場を通じ販売先を探したところ、イオン北海道が地産地消の観点からマックスバリュ八雲店で販売したいと賛同し、今月6日に販売が始まった。

 同店は、年内中は毎日販売する方針で、特に週末の土・日曜はコーナーを設け住民に安定して供給する。商品は刺し身用の柵、焼き魚用甘塩となっている。

 イオン北海道食品商品部水産(函館エリア)バイヤーの渡部一浩さんは「二海サーモンは養殖技術が発達し、脂ののりや食べた際の食感が年々良くなっている。ふるさと納税の返礼品になっており、町民の口に入る機会は限られていたが、ようやく地元の人たちに届けられるようになった。全道的にサーモン養殖を手掛ける自治体は増えているが、八雲は脂ののりで頭一つ抜け出ていると思う」と評価する。

 商標登録は7月15日付。道南では、同20日に長万部町のホタテ「湾宝(わんぽう)」が商標登録された例はあるが、養殖サーモンは八雲が初めてとみられる。町サーモン推進室の田村敏哉室長は「町民が地元で養殖した二海サーモンを食べ、町民全体で応援する機運を盛り上げていきたい」と話す。

 なお、落部地区では今年11月に幼魚をいけすに入れる作業をいったん休止する。ホタテ貝の生産回復に伴う措置。

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