7月スルメイカ105トン 主漁場は前浜 好転期待【函館】
函館市農林水産部がまとめた市水産物地方卸売市場での7月の生鮮スルメイカ取扱量は、前年比7・1%(8トン)減の105トンとなった。統計の残る2005年以降では、20年(74トン)、19年(91トン)に続き過去3番目に少ない。主漁場は前浜(津軽海峡)に形成されており、今後好転するか注目される。
同部によると、7月の取扱量は上旬29トン、中旬24トン、下旬52トン。17年(155トン)、18年(135トン)、21年(113トン)と同じ過去4回目の100トン台と低調。1キロ平均単価は同9・9%(68円)高い753円で、取扱金額は同1・7%増の7877万円。
出漁日数は昨年より2日多い25日だった。今季の漁期が始まった6月と、7月の合計は取扱量151トン(同8・6%増)で過去4番目に少なく、単価は815円(同9・2%増)、金額は1億2348万円(同19・0%増)。
7月の漁獲について、同部は「6月が前年より良かった分、7月も右肩上がり傾向を期待したが、足踏み状態。昨年より早く津軽海峡に漁場ができており、夏場の漁獲回復を願う」としている。
函館市中島廉売内の紺地鮮魚の紺地慶一社長(60)は「イカ釣り船は日変動はあるものの、そこそこ捕れている。新型コロナウイルスの感染拡大で飲食店の需要は厳しい。お盆に向け消費が盛り上がってほしい。サイズは今年も小型傾向」と話す。
水産研究・教育機構が7月末にまとめた日本海(8~12月)と太平洋(8~9月)のスルメイカ長期予報によると、日本海の「道南・津軽」は来遊量が前年並みで近年平均(17~21年)を下回り、太平洋側の「津軽海峡~道南太平洋」は前年並みと予想。魚体は前年並み。
道総研函館水試の三原栄次主任主査は「資源的に低水準な中で、7月の漁獲はほぼ前年並みとなった。イカ釣りは昨年より良かったが、定置網が振るわなかった」と振り返り「8月中旬まで低水準が続く見通しで、秋から太平洋側の群れ(冬季発生系群)が来遊するが、資源量は低い状況なので、道南での漁獲はあまり期待できないのではないか」と話している。
函館水試の試験調査船「金星丸」は16~21日、道南太平洋でのスルメイカ来遊状況を調査する。
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