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苫小牧民報

障害者へパソコン指導で苫小牧の市民団体に文科大臣表彰、20年間、社会参加を後押し

苫小牧市障がい者パソコンボランティア友の会(中嶋文央会長)は、約20年間にわたって視覚や身体に障害がある人にパソコンの操作方法を伝え、社会参加を後押ししたことが評価され、文部科学大臣から功労者表彰を受けた。東京都内で行われた表彰式にオンラインで出席したメンバーたちは、今後の活動に向けてさらに意欲を高めていた。

受賞の喜びに沸く苫小牧市障がい者パソコンボランティア友の会のメンバー

 同会は視覚や身体に障害がある人にICT(情報通信技術)機器の活用方法を伝えて社会参加を後押ししようと、市民有志で2002年に発足した。

 市教育委員会とパートナーシップ協定を締結し、市福祉ふれあいセンターで毎月4回のパソコン教室を開催。視覚障害者6人、肢体不自由の5人が参加し、表計算ソフトや文書作成ソフトを使ったはがきや文書、表、イラストの作成方法を学んでいる。

 近年はスマートフォンやタブレット端末などの使い方も伝えられるよう、独自に勉強会を開く。昨年はテキストに書かれた文字情報を音声に変換したCDを作成し、受講者に配布。パソコンボランティアの養成事業にも協力してきた。

 こうした地道な取り組みが障害者の多様な学びの場提供につながっているとし、大臣表彰を受賞。新型コロナウイルスの感染予防のため、7日の表彰式はオンラインで行われ、6人のメンバーが市福祉ふれあいセンターに集まって式の様子を見守った。

 受賞者紹介の場面で、団体名の読み上げと同時に活動の様子を伝える写真がスクリーンに大きく映し出されると、一同は喜びに沸いた。

 中嶋会長は「パソコンの操作を学んだことで、仕事や私生活が充実したと言ってくれる人もおり、私たちもやりがいを感じながら活動してきた」と強調。「表彰を励みに、これからも受講者に喜ばれる教室を行っていきたい」と述べた。

 今年度は全国の58団体・個人が文科大臣表彰を受賞。市内からは同会のほか、障害者スポーツの指導と普及に取り組む大村博さんも功労者表彰を受けた。

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