かんらん岩の絵の具で完成【様似】
【様似】様似小(松田陽一校長)の5、6年生50人が10日、同校体育館で札幌大谷大学生らと「かんらん岩で屏風つくり」を行い、「様似八景」の日本画をかんらん岩を使った絵の具で描き上げた。
屏風つくりは、札幌大谷大美術学科の学生と連携して3年前から継続して行われている事業。中高生の美術教諭を目指す札幌大谷大美術学科の3年生たちが、子どもに美術を教える経験を踏むとともに、小学生のうちから日本画(石や貝殻が絵の具の原料となる)を描く機会がないため、早いうちから興味関心を深めることができる。
5年生が行っている事業で3年前は様似八景のうち「アポイ岳」と「親子岩」を完成させ、2年前は「幌満峡」と「塩釜トンネルとローソク岩」、昨年は新型コロナの影響で中止に。そして今年は、残る「エンルム岬と様似漁港」「蝦夷三官寺・等澍院」「日高耶馬渓」「観音山と三十三体の石像観音」を作製。昨年できなかった6年生が下絵を描き、5年生が絵の具で色付けなどの仕上げを行う工程。
この日は札幌大谷大から平向功一美術学科長・教授ら講師2人と学生7人が同校を訪問。1~2時間目は6年生が大学生が描いた原画をもとに下絵を描き、3~4時間目に5年生が色付けをした。絵の具は11月に平向教授が同校を訪問したときに、あらかじめ砕いていた「かんらん岩」を、児童たちが専用のミキサーで粉状にする作業を行い、膠(にかわ)と粉状のかんらん岩を混ぜて出来上がる「岩絵の具」や、大学で用意された「貝殻絵の具」、「石絵の具」などを使い完成させた。
5年生の幕田安寿(あんじゅ)さん(10)は「いつもはできない大きな絵を描いて、様似の風景がもっと好きになった。岩絵の具を使って他の絵も描いてみたい」と出来栄えに満足気な様子だった。
完成した屏風は校内に飾られるという。
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