箱館丸に掲揚した国際信号旗を持つ沢田石さん（写真左が「Ｕ」、右が「Ｗ」）

　函館市大町で展示されている復元船「箱館丸」などで１３日、世界共通の国際信号旗で「貴船の安全航海を祈る」の意味を持つ「Ｕ旗・Ｗ旗」の掲揚が始まった。３０年以上続けられ、今年は道の駅なとわ・えさん（日ノ浜町）も加わり、函館・北斗市の計１４カ所で１５日まで行う。

　函館の市民団体「よみがえる箱館丸の会」（澤田石久巳代表）が海に囲まれた函館の魅力や、日本初の洋式帆船として箱館で建造され、まちの繁栄を支えた箱館丸を市民が知ることで、自身のモチベーションを上げるきっかけにしてほしいと願い、同船が復元された翌年の１９８９年からＵＷ旗を掲げている。以来、賛同した施設などが参加し、現在では「海の日」（１５日）を記念して３日間行っている。

　「Ｕ旗」は２０２０年から気象庁が津波への警戒を呼び掛ける旗としていることや、日本船舶海洋工学会が２２年に箱館丸を「ふね遺産」に認定したことで、沢田石さんは「箱館丸への感心が高まっている。ＵＷ旗掲揚を続け、海を通じて函館を一層ＰＲしたい」と話している。

　掲揚するのはこのほか、市国際水産・海洋総合研究センター、市臨海研究所、市役所、市水産物地方卸売市場、市地域交流まちづくりセンター、市青函連絡船記念館摩周丸、南北海道外洋帆走協会、金森赤レンガ倉庫、海上自衛隊函館基地隊、五島軒本店、北海道坂本龍馬記念館（以上、函館市）、函館水産高校（北斗市）。