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十勝毎日新聞

家作りで「カラマツ」に光を ログハウス完成【芽室】

 芽室町上美生で「剣山どさんこ牧(まき)」を経営する川原弘之さん(86)が、同牧場敷地内の防風林から切り出したカラマツを使ったログハウス「からまつ荘」(上美生6線36)を完成させた。建築資材としては不向きとされるカラマツをあえて使用した今回のログハウスには、町の林業発展を願う川原さんの熱意が込められている。

自宅として完成したカラマツを使用したログハウス「からまつ荘」を紹介する川原さん

 川原さんは、戦後の開拓で植えられたカラマツの防風林が、時を経て大木となった姿を牧場から目にしてきた。風害や冷害に悩まされたこの土地で、きめ細かい防風林を造り上げた先人たちに思いをはせ、胸が熱くなったという。

 一方で、カラマツは幹が湾曲する「まがり木」が多く、やにも多いことから原木を建築資材とすることは敬遠される。チップなどに加工され、比較的安価に取引されることを川原さんは残念に思っていた。

 川原さんによると芽室には農地と同程度の林地があり、そのうちカラマツ林は3000ヘクタールを占める。芽室にとって身近なカラマツの「利用価値を見いだしたい」と、カラマツのログハウス建設に乗り出した。

 川原さんは、フリーでログハウス建築を行うログビルダー、原山久夫さん(63)=後志管内赤井川村在住=に昨年3月、建築を依頼。川原さん所有のカラマツ林から、材木に適した木を選び出すところから始まった。切り出した樹齢約70年のカラマツは120本。5月から壁組みを始めた。

 曲がりやねじれによって、外壁の角小口を均等に並べることはできず、原山さんは直径70センチから同25センチの丸太を互い違いに組んだ。川原さんはこれこそカラマツを使ってできるおもしろい家と満足している。

 最初は平屋の予定が、川原さんの追加注文で2階建てとなった。約1年間、芽室に滞在し、ほぼ一人で作業を続けた原山さんは、今年4月に約80本のカラマツから120平方メートルのログハウスを完成させた。

 原山さんは川原さんからさらに追加で注文を受け、現在はからまつ荘横に納屋を建設中。「(ログハウス建築)は今までで一番難易度の高い建築で、最初は疑問に思いながら作業をしていたが、今は楽しんでいる」と話し、8月をめどに納屋の完成も目指す。

 川原さんは同じようなログハウス、そしてログビルダーが芽室に増え、芽室の林業が十勝に誇るものとなってほしいと願う。カラマツのログハウスに興味を持ってほしいと、今後、希望者にはからまつ荘を公開していく。25日午後1時から完成後初となる見学会を開催。からまつ荘内部や建設中の納屋の施工作業を見学できる。参加無料。希望者は剣山どさんこ牧090・2054・7491へ。

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