児童代表から卒業証書を受け取る林校長

　室蘭市天神小学校（林暁宏校長、４１２人）の６年生６９人が９日、３月末で定年退職を迎える林校長へのサプライズ卒業式を行った。児童たちは２年間、同校を支え続けた校長先生に感謝の気持ちを伝えた。

　児童たちは林校長の定年退職を知り「何か恩返しをしたい」と２０２２年１１月ごろから計画。プログラムやビデオメッセージなど自分たちで作り上げた。この日は「１８日に控える卒業式練習の指導をしてほしい」と林校長を会場となるアリーナ（体育館）に呼び出し、卒業式を行った。

　及川詩音さんと佐藤寧々さんは式辞として「宿泊訓練や修学旅行で校長先生との思い出がたくさんできた。先生が大切だと教えてくれた『元気、勉強、友だち』を忘れずに過ごします」とあいさつした。

　児童代表から卒業証書と折り紙でできた花束を受け取り、驚きの様子を隠せない林校長は「３８年間の教員生活の最後を天神小で過ごすことができて良かった。最後の卒業生がみんなで最高。校長先生は幸せ者です」と感謝していた。

　児童たちが制作した林校長との写真や他学年からのメッセージを集めたビデオを上映。最後はみんなで校歌を歌い、記念写真を撮影。児童たちは腕でアーチをつくり、林校長はくぐり抜けて退場。新型コロナウイルスの影響があり、児童たちの歌う校歌を聞く機会がなかった林校長は「みんなが校歌を歌っている姿を見ることができて本当に良かった」と涙を浮かべながら会場を後にした。

　卒業式の準備に携わった青山宰さんは「校長先生が喜んでくれて頑張って計画したかいがあった」、及川さんは「校長先生は面白くて優しく、自分たちのことを一番に考えてくれている」、佐藤さんは「たくさんのことを教えてくれた校長先生に感謝の気持ちを伝えることができた」と話していた。

サプライズ卒業式で記念撮影をする林校長と６年生の児童たち