冒頭の場面を練習する市民キャストら

室蘭VOX、来月公演に向け

　室蘭の舞台公演支援団体・室蘭ＶＯＸは１１月６日、室蘭市内で「鐵の人～室蘭の製鉄業の祖　井上角五郎の半生～」を上演する。出演する市民キャストや制作スタッフが参加した初稽古がこのほど、室蘭市中島町の生涯学習センター・きらんで開かれた。

　同公演は「室蘭の製鉄業の祖」として知られる実業家・井上角五郎を題材にしている。キャストや歴史考証、衣装、美術などに多くの市民が参加。２０１７年（平成２９年）に初演し、今年は２年ぶり４回目（実験公演含む）の公演となる。

　今回の公演では、市民キャスト１２人のうち、オーディションで選ばれた６人が初参加。稽古初日は自己紹介をした後、舞台の冒頭場面から練習を開始。演出を手掛けるＮＩＷＡ（本名・庭山智行）さんの指導の下、出演者は舞台の立ち位置や登場のタイミングなどを確認した。

　室蘭を舞台にした映画「モルエラニの霧の中」（坪川拓史監督）にも出演した村田博さんは、前回と同じく、実在した技術者・村松辰五郎役を演じる。「札幌での前公演は村松さんのひ孫が鑑賞に来てくれて感動した」と笑顔で話した。

　ＮＩＷＡさんは「その年ごとに演出や仕上がりが変わるので、楽しみにしてほしい」と話した。

　同公演は室蘭市内で１１月５～８日に開催される日本鋳造工学会（会長・清水一（かず）道（みち）室蘭工業大学教授）の「第１７８回全国講演大会」プログラムの一環として上演される。当日は市民に加え、同大会に出席する学会員も公演を鑑賞する予定。全国の研究者や技術者に「鉄のまち」室蘭の歴史をＰＲする絶好の機会となる。

　公演に関する問い合わせは室蘭ＶＯＸ「鐵の人」製作委員会事務局の庭山貴行さん、携帯電話０８０・４３５９・０３５５、メールinfo@muroran-vox.comへ。