久保会頭（右端）の発声で乾杯する出席者

　２０２５年函館市年賀会（市、市議会、函館商工会議所主催）が６日、函館国際ホテルで開かれた。函館の政財界から約６００人が参加。函館は観光が好調な一方、人口減が進む中で深刻な人手不足に直面するなど課題も多い。参加者は地域活性化へ思いを共有し、新年のあいさつを交わした。

　大泉潤市長は「昨年は函館を舞台にした映画の公開やクルーズ船の寄港が過去最多、モルック世界大会をはじめ大型イベントやコンベンションの開催など、函館が全国から注目される一年となった」と振り返り、観光は好調だと強調。一方で、観光だけでは地域経済を強くし、若者の流出を止めるのは難しいと指摘し、都市ブランドを高める努力をすると表明。「現在の激しい人口流出を止めるのは至難の業だが、諦めずに歩み続けるためには強力な切り札が必要」と力を込めた。「負の連鎖を断ち切り、逆回転させるには、国内一の都市ブランドを世界に広げ、国際的知名度を突破口にする。４年以内に世界の都市ブランドランキングトップテン入りを目指す」と述べた。

　市長は、北海道新幹線の函館駅乗り入れにも触れ「新年も関係機関としっかり協議を行う」とし、札幌開業が２０３８年度と一部報道が出たことに関し「衝撃的な数字だ。函館駅乗り入れはシステム改修の関係で札幌開業と同時でなければできない。札幌開業が遅れれば遅れるほど、函館駅乗り入れも遠ざかる」と懸念を示した。

　久保俊幸函館商工会議所会頭の発声で祝杯を上げ、参加者は和やかに懇談。吉田崇仁市議会議長が三本締めを行い、今年一年の無事や地域発展を願った。