復路６区で箱根駅伝初出場を果たした明治大の杉本

　２、３日に東京都と神奈川県で行われた第９８回箱根駅伝で、函館出身で明治大３年の杉本龍陽（りゅうき）が復路の６区（２０・８キロ）で初出場を果たした。「陸上を始めた時からの憧れの舞台」で山を下り、５９分２８秒で駆け抜けた。明治大は総合１４位。函館に帰省し取材に応じた杉本は「来年こそシード権を」とリベンジを誓っている。

　明治大は序盤で出遅れ、往路は１７位。復路は明治大を含む５チームが一斉スタートとなった。

　杉本は大学三大駅伝（全日本大学駅伝、出雲駅伝、箱根駅伝）を通して初めての出場。志願していた６区で、「ワクワクした。独特の緊張感も含めて楽しめていた」と振り返る。序盤の５キロの上りは「思ったよりきつかった」とタイムを伸ばせなかったが、下りで持ち味のスピードを発揮。監督車が合流するラスト３キロからの平地では、山本佑樹監督の激励を受けながら「踏ん張って前との差を縮めた」と最後まで力を振り絞った。

　一つ順位を上げて１６位で小田原中継所へ。大きな声で杉本を呼んだ７区・富田峻平（３年）に紫紺のたすきをつないだ。「１０位以内に入ることと、一斉スタートしたチームの中で１位になることを目指していた。悔しさが残る」と区間１２位に唇をかんだ。

　陸上を始めたのはあさひ小５年。附属中１年からＣＲＳ（千代台陸上スクール）に所属し、３年時に３０００メートルで全国中体連に出場。札幌日大高を経て明治大へ進んだ。今季は「周囲の期待に応えようと意識を変えた」と練習量を増やし、体幹トレーニングやベンチプレスで筋力アップ。「上半身に筋肉がついたことで、軸がぶれず後半の推進力が落ちない走りができるようになった」と好調ぶりを発揮し、メンバーに名を連ねた。

　来季は最終学年。「箱根の借りは箱根でしか返せない。同学年のライバルや後輩に負けず、６区でリベンジしたい」と陸上競技ラストイヤーに懸ける。