プロジェクト部門発表平取町４Ｈクラブの白川さん（中央）

【新ひだか】青年農業者による「日高管内農業研究大会」が12日、静内本町４の日高生産連ビル会議室で開かれ、約50人が参加し、４Ｈクラブの農業研究発表や静内農高の特別発表などで農業活動への理解を深めた。

　管内各町の農業青年で作る４Ｈクラブなどによる実行委と日高振興局が主催。４Ｈクラブは、①農業の改良と生活の改善に役立つ腕を磨く（Ｈａｎｄｓ）②科学的に物を考えることのできる頭の訓練（Ｈｅａｄ）③誠実で友情に富む心を培う（Ｈｅａｒｔ）④楽しく暮らし、元気で働くための健康を増進（Ｈｅａｌｔｈ）―のクラブの４つの信条の頭文字を総称したもの。

　最初のプロジェクト部門発表では、平取町４Ｈクラブの白川雅大さんが大玉トマト桃太郎の農業用水が確保できず絶望していた。「池の水ぜんぶ満たしてみた」の題名で、４Ｈクラブ加入を転機に５人で活動することにより、希望を見出すまでの軌跡を発表。①絶望！水が出ない②手法の検討③実際に挑戦④成果の確認（配管工事成功・水源地から３２０㍍パイプでため池まで・単収のアップ）⑤今後の展望―などを説明。

　白川さんは「家族だけでは解決できないことが、４Ｈクラブのグループの力て解決した。交流の大切さなど、重要なことに気づけた」と話した。

　このほか、静内農高生による特別発表「蹄なくして馬なし～３Ｄプリンターで作成した樹脂プレートによる裂蹄処置の検証～」（発表者・藤原結美さん、中島朝孝さん）のテーマで発表。

　繁殖牝馬の飼養管理の中でひづめの管理は大きな問題。特にひづめに亀裂が入る裂蹄はさまざまな原因で発症。その中でも妊娠すると繁殖牝馬は自分の体重と胎児の体重をひづめだけで支えるために、裂蹄が重症化。妊娠末期に重症化すると激痛のため歩行困難となる。さらに運動不足により体重が増加し、それが原因で異常胎児となり難産や死産を引き起こすことが多く発生。日高地方ではひづめの治療ができる装蹄師が不足し、そのことから高校生でもひづめの治療ができる方法を３Ｄプリンターを活用し、軽種馬生産と育成を持続可能なものにしたいと検証を発表した。この発表は、「探究チャレンジジャパン」で北海道知事賞を受賞した。