年間６５％削減、ＺＥＢ認証取得

祝賀会であいさつする上田代表取締役

　コンクリート製品を製造販売する上田商会（本社登別市新川町、上田朗大代表取締役）川上工場（川上町）の新社屋となる事務所棟の竣工式と祝賀会が３日に開かれた。同社グループ初となる一次エネルギー消費量を年間６５％削減する「ＺＥＢ　Ｒｅａｄｙ（ゼブ・レディー）」の認証を取得。持続可能な社会の実現に加え、社員にとっても快適に過ごせる事務所となっている。

　同工場は１９７３年稼働開始し、旧事務所棟は７８年に建設した。老朽化に伴い建物を解体した上で、同じ場所に新事務所棟を５月に着工し、１０月３０日に完成。１１月１８日から供用を開始している。

　木造平屋建てで、延べ床面積は２６５平方メートル。高気密・高断熱・高効率の空調、ＬＥＤ照明の導入により、ＺＥＢ　Ｒｅａｄｙが求める５０％以上の省エネを実現した。

　この他、エネルギー効率・暖房性能の高い空調システムと全熱交換換気を採用。人感センサーなども導入した。建築物省エネ性能表示制度では、最高ランクの六つ星を獲得している。

　生産から出荷まで品質を管理する事務所スペースと、カフェを意識した雰囲気で７５インチのテレビがある休憩スペースで構成しており、早速同工場に勤務する社員２５人の憩いの場となっている。

　竣工式は休憩スペースで行われ、工事関係者や取引先などから５７人が参加。神事で無事故・無災害を祈願した。祝賀会では同社グループ会社が運営するクベル・グリーン＆コーヒー（新川町）の料理が振る舞われた。

　上田代表取締役は「私たちの仕事の使命は建設現場の工期短縮、脱炭素への貢献。この工場は製造拠点としてだけでなく、研究開発拠点としての役割も視野に入れている。社内外の方々との交流が活発化し、新たなアイデアやプロジェクトが生まれることを期待している」と話していた。

　同社は道内に５工場１０拠点を展開している。川上工場は即時脱型専門工場（バイコン）があるのが特長で、各種コンクリート二次製品などを生産している。今後は３Ｄプリンターを活用したコンクリート製品の製造なども計画している。

上田商会川上工場の新社屋