スルメイカ分布密度 昨年と過去5年平均上回る【函館】
道総研函館水試が今月実施した道南太平洋でのスルメイカ分布密度調査によると、分布密度は昨年と過去5年(2019~23年)平均を上回った。函館近海は10月下旬から水揚げ量が多い状況が続いており、イカの来遊ピークと調査期間が重なったことが要因とみられる。同水試は「今月下旬以降は水揚げが減っていくだろう」とみている。
同水試の試験調査船「金星丸」(151トン、イカ釣り機5台、集魚灯20灯)で今月2~6日、漁獲調査を計画していた4地点のうち、しけのため日高管内浦河沖を除く3地点で分布密度を調べた。
イカ釣り機1台1時間当たりの漁獲数は、函館市木直沖が1・52匹(昨年0・31匹、過去5年平均0・42匹)、青森県下北半島東沖が1・62匹(昨年漁獲調査中止、過去5年平均0・42匹)、函館沖が3・57匹(昨年1・75匹、過去5年平均1・98匹)で、3地点とも昨年、過去5年平均を上回った。同水試は「函館沖の漁期を通じた来遊量は今年も少ないと考えられるが、10月下旬から11月上旬での来遊量は近年の中では比較的多かった」とする。
イカの胴長(サイズ)は6~25センチ(昨年15~24センチ)の範囲にあり、18センチが最も多かった。昨年(20センチ)、過去5年平均(同)より小さく、同水試は「今季は漁序盤からサイズが小さく、冬生まれ群も小型の個体が多い。はっきりした理由は分からない」としている。
イカの分布目安となる水深50メートルの水温(3調査点)は、12・2~17・2度で、昨年(10・4~17・8度)とほぼ同じだが、例年よりは高めに推移している。津軽暖流の影響で津軽海峡東側から下北半島東側に14度以上の水塊があり、イカの来遊には好条件となっている。
市農林水産部によると、今月上旬(1~10日)の市水産物地方卸売市場での生鮮スルメイカ取扱量は69トンに上り、前年同期(30トン)の2倍以上を記録。11日も8・8トン、12日も11・4トンと好漁が続いている。
同水試の木村俊介研究職員は「11月に入っても比較的イカは捕れているが、下旬以降は減る可能性がある」とした上で「冬生まれ群は昨年に続いて資源量が少なく、今後イカが産卵場に向かって南下するので北海道から離れて漁獲は少なくなる見込み」と話す。
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