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室蘭民報

熟練の床屋、愛され60年「喜ばれることがやりがい」 八丁平・向井さん夫妻【室蘭】

熟練の技術で髪を切る薫さん

 室蘭市八丁平で「カットハウス・プラウィッツむかい」を営む、向井薫さん(82)と安樹子さん(82)夫妻が、開業60周年を迎えた。水元町で31年、現在の八丁平で29年、たくさんの市民らに親しまれてきた。「同業者の友人に恵まれ、多くの人と出会い、交流や経験ができた」と振り返る。

 薫さんは、1942年に農家の6人きょうだいの次男として真狩村で生まれた。中学卒業時には大工を志したが、母に相談すると「お前は体が小さいし力仕事だから合わないと思う。床屋がいい」と助言され、理容の道へ進んだ。

 親戚が営む理容室で7年間腕を磨いた。22歳の時に同僚だった安樹子さんと結婚。私生活では2男1女に恵まれた。

 水元町で独立開業。夫婦で協力しながら、客が要望する理想のヘアースタイルをかなえるべく奮闘の日々。「お客さんに喜ばれることが何よりのやりがい」と目を細める。

 薫さんが49歳の時、病気を患った。「店は跡取りである長男に任せなさい」と親戚から助言を受け、療養のため思いを託した。休養中、住宅地として栄えた八丁平に理容室が無いという話を耳にした。

 体調が回復した薫さんは安樹子さんに相談。もう一度2人で店を-との思いで新たに開業することを決意した。

 開店当初こそ客の獲得に苦しんだが、熟練の技術が受け入れられ次第に顧客が増えていった。今では夫妻を慕って多くの地域住民が足を運ぶ。中には、近隣にある大谷室蘭高の生徒の姿も。部活の大会の結果報告に訪れるという。

 最近は孫たちとの交流が元気の源。8月には子どもたちから60周年を祝ってもらったという。向井夫妻は「お客さんに求められ体力が続く限り、夫婦2人で仲良く床屋を続けたいですね」と笑顔で語った。

開業60周年を迎えた薫さん(右)と妻の安樹子さん

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