新弟子・笹本さんも決意新た

「吹子祭り」で活動を報告する佐々木刀匠（右から２人目）

　日本製鋼所Ｍ＆Ｅ室蘭製作所（室蘭市茶津町）の瑞泉鍛刀所で７日、風を送り火力を調整する鞴（ふいご）や刀作りの道具、火の護（まも）りに感謝する「吹子祭り」が開かれた。５代目当主佐々木胤成（たねしげ）刀匠が１年間の活動を報告したほか、刀作りや操業の安全を誓った。

　同鍛刀所開設から１０７回目を数える伝統儀式。同社の上田奏所長や労働組合の高野聖久組合長らが出席し、神事で社の発展や安全操業などを祈った。佐々木刀匠は本年度の現代刀職展で太刀と短刀が入賞したことを報告。「各時代の日本刀の解析や刃文の研究成果が実った」と振り返った。

　また、刀鍛冶を志望して４月に入社した笹本祥汰さん（２６）が１０月から鍛刀所に配属された。初めて弟子を持つ佐々木刀匠は「指導していく上で重責を感じている。師匠として恥じない仕事を見せていきたい」と決意を語った。

　笹本さんは現在、木炭を切りそろえる「炭切」や小槌（こづち）で打つ練習に励む。「技術のほか、儀式についてもしっかりと受け継いでいけるよう勉強したい」と話した。