イカ出漁補助金延長 函館市 来年1月末まで【函館】
函館市は、小型イカ釣り漁業者の燃油代の負担を軽減することで経営の安定を図る「小型イカ釣り漁業出漁支援補助金」の交付に関し、対象期間を今月から延長した。現行制度は観光繁忙期でイカ消費が盛り上がる6~10月の5カ月間が対象で、残る漁期11月~翌1月は対象外だったが、11月~来年1月末も補助する。今季は漁期全てが補助対象になる。
補助金は、スルメイカの不漁で出漁を控える漁師の出漁を促すとともに、市民や観光客に新鮮なスルメイカを提供できる環境を整えるのが狙いで、2019年8月から実施している。津軽海峡や近海で操業し、函館を含む渡島、桧山管内に生鮮スルメイカを出荷すると、1回あたり1万円を支給する。
近年の高水温化に伴い、道東から南下するスルメイカ(戻りイカ)の来遊が遅れ、11月以降も一定の漁獲量が見込めることや、例年だと函館近海にできていた漁場が近年は室蘭や十勝沖に形成され、漁場までの移動に大量の燃油を消費することから、市内漁協から交付対象期間の延長を求める声が出ていた。
市水産課によると、対象は市内5漁協の小型イカ釣り漁船91隻。今年度(6~9月)の出漁実績は1491回で、予算措置した2750回と開きがあるため、補助を延長しても予算の増額はないという。11月~来年1月末は約600回の出漁を見込んでいる。
これまでの補助実績は19年度(8~10月の3カ月間のみ)が2089回、20年度が2915回、21年度が2795回、22年度が3112回、23年度が2140回となっている。
10月の市水産物地方卸売市場の生鮮スルメイカ取扱量は前年同期比5トン減の72トンで、10月として過去最低を更新するなど、依然として低水準で推移している。
同課は「昨年5月の新型コロナウイルス5類変更以降、函館の観光入り込み客数は高水準を維持しており、年内いっぱい観光需要が見込めるので、イカがあれば助かるという飲食店も多い。漁師の経営を支援し、少しでもイカを捕ってきてもらえれば」としている。
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