【根室】北方領土返還要求根室市民大会（同実行委主催）が４日、道立北方四島交流センター「ニ・ホ・ロ」横の特設会場で開かれた。参加者６２０人が、返還要求運動原点の街に「北方領土を返せ」のシュプレヒコールを響かせた。

　 大会には来賓として、外務大臣代理の外務省欧州局ロシア課の持田雄太郎課長補佐、内閣府特命担当大臣代理の内閣府北方対策本部の長田賢一調査官、鈴木貴子衆院議員、鈴木宗男参院議員、道知事代理の所健一郎北方領土対策根室地域本部長らが出席した。

　大会長の石垣雅敏市長は元島民の平均年齢が８８歳を超え、ロシアのウクライナ侵攻による日ロ関係の厳しい状況などに触れ「大会を通じて、これまで運動の先頭に立ちながら無念の中で他界された先人の志を胸に、原点の地、私たち根室市民、どんな困難があろうとも、これからも全国の先頭に立って返還運動にまい進していく」と決意と覚悟を示した。

　６月に開催した根室市立学校生徒弁論大会北方領土問題の部で優勝した海星学校９年の菊地琉凪さんが「北方領土問題解決への第一歩」を披露。根室市民の叫びでは各団体の代表４人が登壇。千島歯舞諸島居住者連盟根室支部長で歯舞群島・勇留島出身の角鹿泰司さん（８７）は「われわれ、後継者の皆さんと力を結集し、一丸となって島を返せと声を上げて返還が実現するまで強く訴えましょう」と述べた。

　最後に根室市町会連合会の島祐一会長が、北方領土問題解決に向けた平和条約締結交渉の再開を求める大会決議を読み上げ、千島歯舞諸島居住者連盟根室支部後継者「かけはしの会」による北方領土を返せのシュプレヒコールで大会を締めくくった。終了後には北方領土返還要求後継者のつどいが行われた。

シュプレヒコールで決意を示す参加者