ポリネシア先住民族のダンサー ウポポイ 炎の演舞披露 白老
ポリネシアの先住民族にルーツを持つ米ハワイ出身のダンサー、デビット・ナレアイさん(45)とバイソン・ナレアイ(25)さんが24日、白老町若草町の民族共生象徴空間(ウポポイ)を訪れ、南洋のサモア諸島に伝わるファイヤーナイフダンスを披露した。両端に火を付けた棒をバトンのように回したり投げたりする伝統舞踊で、町民や観光客ら約200人が鑑賞し、大きな拍手を送った。
2人はハワイ最大のテーマパーク「ポリネシア・カルチャーセンター」の職員で、同センター主催のファイヤーナイフダンス世界選手権大会の優勝経験者。デビットさんは3度優勝し、おいのバイソンさんは2024年大会で優勝した。
北海道には、上川管内上川町の一般社団法人ペニウンクル(伊沢一浩理事長)がアイヌ民族文化財団の国際文化交流事業(助成事業)を活用して招いて訪れた。同法人が第62回層雲峡温泉峡谷火まつり(27日~8月12日)で、アイヌの炎の舞踊とポリネシアの先住民族のファイヤーナイフダンス演舞のコラボステージを行うためで、この機に同法人がウポポイとの交流を希望し、メンバーらと訪れた。
ポロト湖を背景にしたステージで、まずペニウンクルの会員やウポポイの職員がアイヌの伝統舞踊を披露。この後、バイソンさんがデビットさんの太鼓に合わせ、ニフォ・オティと呼ばれる大きなナイフの付いた棒の両端に火を付けた。厳かな雰囲気が漂う中、燃えさかる火をものともせずに棒を華麗に操り、周囲をはらい清める迫力満点の踊りを繰り広げた。
町社台の自営業の女性(27)は「(火の付いた棒を振り回す)テクニックと力強さに生命力を感じた」と感心しきりの様子で話した。
踊り切ったバイソンさんは「風が強くて火のコントロールが大変だったが、観衆の応援が何より心強かった。日本の皆さんと私たちの文化を共有できたことは光栄」と述べ、満面の笑みを浮かべた。デビットさんは「アイヌの皆さんとウポポイで文化交流できた縁は忘れない。遠い昔に私たちが一つの家族だったような懐かしい気持ちだ」と静かに語った。
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