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函館新聞

アメリカシロヒトリ幼虫大量発生 函館市に苦情700件【函館】

 函館市議会第3回定例会は18日、4人が一般質問を行った。市は、市内で大量発生している毛虫が外来種のガ「アメリカシロヒトリ」の幼虫だとし、市に寄せられた苦情件数がこれまで約700件に上ると明らかにした。市民からの相談が急増しており、市が駆除を進めるとともに、駆除方法を市ホームページなどで速やかに情報提供する考えを示した。

 板倉一幸氏(民主・市民ネット)の質問に、山本寛人土木部長、佐藤任保健福祉部長が答えた。板倉氏は「放置すべきでない。高齢者や自力で駆除できない人、空き家・空き地への対応、支援を検討すべき」と市の考えをただした。

 市によると、アメリカシロヒトリは戦後、米国から東京へ持ち込まれ、毒性はなく、人体への影響はないという。気温が低い北海道では繁殖できないと考えられていたが、気候変動とともに分布地域が拡大し、2000年に市内で初めて確認。これまで幾度か大量発生しており、2021年からは毎年7、9月の年2回、大量に発生している。原因に関し、山本部長は「温暖化の進行で近年、市の気候がアメリカシロヒトリの生息環境に適したものになってきている」との認識を示した。

 アメリカシロヒトリは市内の街路樹や公園の樹木に発生し、苦情は1回目の発生7月上旬~8月上旬に約230件、2回目の発生8月下旬~今月12日に約470件寄せられている。西部地区~五稜郭方面、その後、美原・石川方面へ範囲が広がり、プラタナス、ナナカマド、サクラ、ヤチダモなどの樹種で葉の食害などの被害を確認している。

 対策として、市は街路樹などの日常的な巡回点検や、市民の通報で大量発生を確認した場合は薬剤散布での駆除を行っているほか、予防効果のある薬剤を適切な時期に散布するなど、発生の抑制に努めている。個人宅の樹木に発生した場合は殺虫剤を使ったり、巣に袋を掛け枝ごと切り取り駆除したりすることを助言。自分で駆除できない場合は、駆除業者の紹介も行っている。

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