エコーセンターで開かれている「百姓貴族」の複製原画展

　【網走】十勝管内幕別町出身の人気漫画家、荒川弘さんの漫画「百姓貴族」複製原画展（東京農業大学主催）が、市エコーセンターで始まった。初日の21日はオープニングセレモニーが行われ、関係者がテープカットして開催を祝ったほか、同漫画のアニメ上映会や監督のトークショーも行われ、多くのファンや市民が「百姓貴族」の世界を堪能した。

　オープニングセレモニーには、主催する東農大の江口文陽学長、開催地代表の水谷市長、同漫画を出版する新書館の三浦和郎社長ら、関係者やファンなど約20人が参列した。

　江口学長は、同展が７月10日から東農大世田谷キャンパスの「食と農」の博物館でも開かれていること、この漫画は農業の未来が描かれていることなどを紹介した上で「この展示が、農業や食の将来をどう考えるかのヒントになる」と、多くの観覧を呼びかけた。

　水谷市長も「荒川さんの『百姓貴族』は、市民にとって農業の現状が分かるもの」と、網走での開催に感謝の言葉を述べた。

　江口学長や水谷市長、同漫画のアニメを制作した澤田裕太郎監督らがテープカット。集まった同漫画のファンや市民が、さっそく同展を観覧した。

江口学長（右から３人目）らがテープカットし、開催を祝った

　会場には、漫画雑誌に連載が始まった２００６年から現在までの１００頭（１話を１頭と表現）までのうち、主な話をパネルで展示。同大オホーツクや世田谷の教授が、その内容について解説を加えている。

　展示している各話も「スマート農業」「日本の農業の未来」「捨てられる作物」など、最先端技術や今の農業が抱える課題などをおもしろおかしく表現している。

　また、酪農と畑作の家に育ち、自身も７年間にわたって手伝った経験から、昔や今の「農業あるある」も描かれており、農業に携わった経験のある人はもちろん、農業を知らない人でも楽しめる展示となっている。

　初日のアニメ上映会には、同漫画や荒川さんのファンら約１３０人が会場に詰めかけ、23年７月９月まで放送された全12話を見ながら、澤田監督の制作裏話などに聞き入った。

　同展は31日まで、観覧無料。

　「百姓貴族」は、新書館の月刊漫画誌「ウィングス」に連載中の農業をテーマにしたエッセイ漫画。10月からは東京メトロポリタンテレビジョン（ＴＯＫＹＯ　ＭＸ）などで放送される。