海保機能、迅速に気象台へ 津波想定、室蘭で移転訓練【室蘭】
室蘭海上保安部(平山仁志部長)は16日、大規模災害の発生を想定し、対策本部を室蘭地方気象台(室蘭市山手町、市川真人台長)に移設する機能移転訓練を実施した。電力供給が途絶える事態に備え、関係者が必要備品の配置や連携などを確認した。
海保と気象台は「災害時等の相互協力に関する協定」を2021年に締結。同海保がある室蘭地方合同庁舎(入江町)が災害で甚大な被害を受けたり、その可能性がある場合、海抜約40メートルの高台に位置する同気象台庁舎の一部を使用できる。
訓練は、海保の平山部長ら8人が参加。胆振地方で震度6弱の地震が発生し、5・4メートルの津波で合同庁舎内の非常用発電機が使用不能になった、と想定。電力が確保できる気象台に現地対策本部を移設する一連の動きを確認した。
津波の影響で海保の車両が使用できないため、職員は無線機やアンテナ、パソコンなどの機材を徒歩で約20分ほどかけて気象台に搬入。会議室の一角に機材や地図などを配置し、通信環境を整えて、沖合を航行する巡視艇こざくらとの無線通信の感度を確認した。
平山部長は講評で「いつでも機能を移転できるように備えてください」と呼びかけ、「今後も新たな想定を加えつつ訓練を継続していきたい」と話した。
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