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函館新聞

「大船遺跡保存活用計画」策定へ 来年2月の成案化目指す 函館市教委【函館】

計画策定に向け委員が協議した第1回検討委員会

 函館市教委は今年度、市大船町の史跡大船遺跡の保存、活用の基準や方針を定めた「史跡大船遺跡保存活用計画」の策定を進める。計画検討委員会が市が示した素案を基に議論を重ね、来年2月の成案化を目指す。

 大船遺跡は史跡垣ノ島遺跡(臼尻町)とともに2021年に世界文化遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産の一つ。現在は12年に策定した「史跡大船遺跡保存管理計画」に基づき、維持管理が行われているが、駐車場、園路の整備や世界遺産登録に伴う来訪者の増加など遺跡を取り巻く環境変化に対応し、世界遺産の構成資産として必要な保存管理を行うため、新たな計画の策定に踏み切った。

 計画期間は2025~34年度の10年間。市が示した素案では計画の基本方針をはじめ、遺跡の保存管理や活用、整備、運営・体制など全12章にまとめる見通し。

 今月9日に第1回検討委が市南茅部総合センターで開かれ、委員長に北大大学院文学研究院准教授の国木田大氏を互選。素案に対する協議では、基本方針や遺跡の本質的価値など各章に関し委員が意見を交わした。また、委員が遺跡を視察し、計画策定に向けて現状と課題の共有を行った。

 今後、10月下旬に第2回検討委を開き、来年1月下旬に予定する第3回検討委で計画全体の最終審議を行う。その後、市教委定例会で議決を得て成案化する。

 市教委生涯学習部の木村元子文化財課長は「世界遺産である遺跡を次世代に引き継いでいけるよう、保存・活用のベースとしてより良い計画づくりを進めていきたい」としている。

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