慰霊碑に伊達空襲の犠牲者へ白菊を供える久居院長

　太平洋戦争中の伊達空襲（１９４５年７月１４日）から間もなく７９年。伊達赤十字病院（久居弘幸院長）の空襲犠牲者慰霊祭が１２日、伊達市末永町の同病院慰霊碑前で行われ、病院関係者や遺族約３０人が空襲で犠牲となった看護師ら４人を悼んだ。

　久居院長は慰霊碑に向かい「戦争を知っている国民はわずか。世界では各地で今も続いている。悲惨な教訓を語り継いでいかなければ」とあいさつ。出席者は犠牲者に黙とうをささげ、白菊を順に供えた。

　祖母の妹を失った札幌市中央区の古川仁美さん（４９）と西村友紀さん（４４）は「祖母から若くして亡くなったと聞いている。曾祖父は大変落ち込んでいたらしい。戦争の悲惨さを子どもたちにも伝えていきたい」と話していた。

　伊達空襲では、米軍機による銃爆撃で市民ら２１人が犠牲となった。赤十字を掲げていた同病院にも小型爆弾が落とされ、患者を防空壕に運んでいた看護師や学生４人が命を落としている。慰霊碑は亡くなった看護学生の同級生らの手により９５年に建立された。