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釧路新聞

かんな薄削り 釧路技専・酒井さん全道一【釧路市】

 道立釧路高等技術専門学院(MONOテク釧路・角田光弘学院長)建築技術科2年の酒井元気さん(19)が、かんな薄削りの技を競い合う「第5回北海道削ろう会交流大会」(岩見沢市、6月29日)学生の部で優勝した。大会には全道から腕に自信のある学生52人が出場。酒井さんは一般の部の優勝者の記録も上回り、ダントツの成績で北海道ナンバーワンに輝いた。

 「削ろう会」はプロアマ、男女を問わず木造建築、木工道具、木が大好きという学生と一般選手が出場。1000分の1㍉の技を競い合う競技大会で、3分間の持ち時間の中で削ったかんなくずの3カ所をマイクロメーターで測定して、その厚さの合計が最も小さい順に順位が決定する。

 白糠町出身の酒井さんは、4人兄弟の三男。和天別で父が営む羊牧場で幼い時から草原を駆け回り、中学時代は柔道で全道2位となり、旭川龍谷高で汗を流した。柔道二段の腕っ節の強さに「大工になりたい」という強い思いから、建築技術の腕を上げてきた。

 酒井さんはヒノキ材での予選では5位通過だったが、ヒバ材での決勝は実力を発揮して見事、頂点に立った。酒井さんは「うれしかった。決勝のヒバ材は釧路の学院で練習をしていた木。優勝できて良かった」とにっこり。将来、日本の伝統とも言うべき、在来工法の建築大工の道を目指しており「みんなに喜ばれる良い家がつくれるようになりたい」と語った。

 「削ろう会」の本番では、かんなの刃の研ぎ具合もさることながら、材質に合わせた刃の調整や当日の気温、湿度などさまざま要因に対応した技能が求められるという。酒井さんは中学、高校と高いレベルで競技を続けてきた経験を生かし、本番も堂々と競技に専心。引率した教官は「ステージ上での姿はとても落ち着いて見えた。下から見守っていた自分の方が緊張していたかも」と大会を振り返っていた。

かんなの削ろう会で全道優勝した酒井さん

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