【標茶】大手自動車部品メーカー「デンソー」（本社・愛知県刈谷市）の女子陸上長距離部「デンソーフリートセローズ」が４～１１日の８日間、町内で強化合宿を行い、各選手がそれぞれの目標に向けて研さんを重ねている。同町での合宿は初めてで、９日には選手たちが講師を務める、町教育委員会主催の「さわやかランニング教室」が開かれる。

　デンソーは１９５５年に女子陸上競技部を創部し、９０年に女子陸上長距離部として独立。現在は三重県いなべ市の同社大安製作所に練習拠点を構え、選手９人、スタッフ３人で活動している。２０１５年に全日本実業団対抗女子駅伝（クイーンズ駅伝）で３連覇を達成するなど、さまざまな大会で好成績を残している。

　同部の溝渕太郎監督は１０年ほど前から何度か、標茶での実業団の合同合宿にコーチとして参加していた。日中にそれほど気温が上がらず、練習に使う標茶高校のグラウンドは土で、疲労度が少ないことから走り込みやすいと、昨年、監督に就任したデンソーの合宿地を同町に決めた。

　今回は、故障で離脱中の１人を除く選手８人とスタッフ３人が来町し、各自が出場する大会に合わせた練習に励んでいる。また、昨年は選手不足で出場できなかった全日本実業団対抗女子駅伝予選会（プリンセス駅伝）の突破を共通目標に掲げている。

　池内彩乃選手（２９）は「しっかり結果を出せるよう、じっくり力を付けていきたい」。松平風花選手（１８）は「走力を付けるために練習を積んでいきたい」と意気込んでいる。溝渕監督は「１０月に控える、２年ぶりのプリンセスに向け、チームとして戦う意識を持って帰ってほしい」と選手たちを見守る。

　合宿とさわやかランニング教室の開催について佐藤吉彦町長は「合宿地に選んでいただけてありがたい。子供たちに刺激を与える機会ができてよかった」と話している。

　同教室は９日午後４時から標茶高校のグラウンド（雨天時はふれあいプラザゆう）で行う。対象は小学生以上で、申し込みは不要。参加費無料。問い合わせは町農業者トレーニングセンター０１５（４８５）２４３４へ。

㊤標茶高校のグラウンドで走り込む選手たち。「涼しくて走りやすい」と好評だ（５日）㊦佐藤町長を表敬訪問した溝渕監督（左）と佐伯尚彦コーチ。標茶の魅力などについて語り合った（同）