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釧路新聞

北前船がつなぐ絆 釧路で寄港地フォーラム【釧路市】

コンブの素晴らしさについて対談する奥井社長と小松町長、山﨑組合長(左から)

 北前船の伝統を現代に生かし、関係自治体が連携して魅力を発信する第34回北前船寄港地フォーラムinひがし北海道・くしろ(実行委員長・蝦名大也釧路市長)が29日、釧路市観光国際交流センターで開かれた。道東での開催は初めてで、自治体関係者など約400人が参加し、北前船が運んだコンブについての対談や、道東各地の観光や自然保護の第一人者によるアドベンチャートラベル(AT)の可能性についての討論に耳を傾けた。

 開会式では観光庁の高橋一郎長官、鈴木直道北海道知事らが来賓としてあいさつに立った。このうち、高橋長官は「日本の宝は地方にこそある。フォーラムで各地域が志を一つにし、大きな動きにつなげてほしい」と祝辞を述べた。

 3部構成で進行したトークセッションではまず、高級コンブ専門店の奥井海生堂(福井県)の奥井隆社長が「昆布と和食のすばらしさ」と題して講演。昆布だしのうまみが母乳と成分が近いことを紹介し「人類の味覚は和食を楽しむためにあるようなもの」と持論を展開。その上で「おいしさの理由を理論立てて世界に訴えられれば、和食の世界での人気はもっと高まるだろう」と展望を示した。

 講演後には、釧路町の小松茂町長が司会進行を務め、奥井社長と浜中漁協の山﨑貞夫組合長が対談。山﨑組合長は世界での昆布の高評価を喜びつつ、「海水温上昇でコンブ資源が減り、漁業者には死活問題だ」と窮状を訴えた。釧路町の若者が中心になって開発した、2年熟成させたコンブ「黄金昆布」のだし汁の試飲も行われ、奥井社長から「くさみがなく、うまみがしっかりしておりかつお節と相性がよさそうだ」と太鼓判を押された。

 第2部では札幌大学の川上淳教授と小樽商科大学客員研究員の高野宏康氏が講演し、道東各地に残る北前船の痕跡を紹介しながら、北前船主が果たした歴史上の役割を解説した。

 フォーラムの締めくくりとなる第3部ではJR釧路支社の戸川達雄支社長が司会を務め、蝦名市長や釧路新聞社の星匠社長、道東各地の観光や自然の専門家ら5人が登壇。道東をATの聖地とする展望について意見を交わした。蝦名市長は釧網線利用者の約6割が観光客であることを示し「乗車が旅の目的となっており、地域への経済波及効果は大きい。ノロッコ号の運行は必ずや継続してほしい」と述べた。

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