食の安心・安全五つ星店の証しであるプレートなどが掲げられて調理が行われている

　室蘭名物カレーラーメンや豊富なセットメニューが人気の蘭たん亭（室蘭市輪西町）が、日本食品衛生協会が進めるＨＡＣＣＰ（ハサップ、食品衛生管理の国際基準）の衛生管理実施店として五つ星の評価を受けた。登別や伊達で五つ星店舗はあるが、室蘭市内では第１号という。

　ハサップは、製造工程での食中毒や異物混入を防ぐ食品事業者の取り組み。

　国際的に導入が進められており、２０２１年６月からは国内全ての食品事業者にハサップに沿った衛生管理が義務化されている。

　同協会は衛生管理対策の実施状況をプレートで店頭に掲示する五つ星制度を導入。ハサップの考え方を取り入れた手引書に基づき取り組み状況をチェック。５項目全てで基準に達した店舗が五つ星店の評価を受ける。

　項目は、従業員の健康管理や食品衛生講習会の受講、害虫駆除対策、食品衛生管理記録、食品賠償責任保険加入の五つ。

　具体的には、年１回以上の健康診断や検便検査の受診、年１回以上の食品衛生講習会の受講と年２回以上の従業員への衛生教育実施、年２回以上の害虫駆除作業－など。

　蘭たん亭では毎日の冷蔵庫内の温度確認と記録や講習会の参加などを欠かさず実施。保険は任意だが、３０年ほど前から加入しているという。室蘭保健所や室蘭地方食品衛生協会の担当者が５項目を確認。１週間ほど前に五つ星の証しであるプレートなどが届いた。

　食品衛生指導員の資格を持つ同店の高橋良一さんは「プレートがあることで、安心・安全な食事を提供する店舗として認知してもらえる」と喜ぶ。「新型コロナをきっかけに、飲食店は安全対策を改めて徹底する機会にもなった。夏場は食中毒への対応も必要になり、気温が高くなり始めた今時期から、油断せずに徹底していきたい」と話している。