八幡坂で自身を写真に収める青山さん。スマートフォンケースは自らが描いた函館の鳥瞰図だ

　鳥瞰図「函館バーズアイマップ２０１８」の作者で神戸在住の青山大介さん（４８）が２３～２５日の３日間、函館市内を訪れた。函館出身の鳥瞰図絵師、石原正さん（１９３７～２００５年）の墓所や母校、函館西高などを訪れ、鳥瞰図の完成を報告し、心の師への感謝を届けた。

　鳥瞰図は上空から見下ろした視点で描く絵図。石原さんは大阪を拠点に７０年の大阪万博マップをはじめ、米ニューヨークや京都などを描いた都市鳥瞰図の第一人者。青山さんは生前の石原さんと交流を持ったことがあり、その没後に鳥瞰図文化を継承したいと絵師としての活動を本格化。地元神戸を中心にさまざまな鳥瞰図を生みだし続けている。

　函館版は心の師が果たせなかった函館を描くことを自らの使命として１７年に着手し、多額の私費と時間を投じて昨年４月に完成した。函館版は函館山と函館駅前周辺の間の南北約２キロ、東西約２・８キロの範囲で、建物は一定のルールに従って１６００分の１に縮小し、すべてを手で描いた労作だ。函館空港国内線ターミナルビルで作品の一部を出力したパネルが活用されている。

　昨年１月以来で完成後は初めての来函。２３日の到着後と２５日の離函前に石原さんの墓所を訪れた。２４日には石原さんの鳥瞰図が校内に飾られている西高を訪問。生徒らを前に自身の取り組みや石原さんへの思いを伝えたほか、Ｂ０サイズで出力したマップを寄贈したという。

　青山さんは「（墓前には）やっと完成しましたよと報告した。石原さんが生きていれば、『ようやったな』と言ってくれて酒を飲みに連れて行ってくれたと思う。西高で話ができたのもうれしかった」と話していた。