書道や抹茶でおもてなし 室蘭港寄港、乗船客に和の文化紹介【室蘭】
海外船籍のクルーズ船が相次いで室蘭港に立ち寄る中、地元では乗船客らをもてなす取り組みが盛んだ。翻訳された市内外の観光マップに加えて、書道や抹茶といった和の文化に触れられる機会を提供している。
2024年度は4月29日に入港したウエステルダムを皮切りに、7隻が寄港する計画。23年度の13隻からは半減したが、室蘭港独特の地形から、中・小型船の停泊が多い傾向という。
客船をウエルカムの姿勢で迎えようと、主に早朝の時間帯から関係者が受け入れ準備を進めている。フリーWi-Fiを設けたり、テーブルをセッティングして市内外の観光マップを用意。バスやタクシーも合わせて10台以上並び、乗船客の輸送に備えている。
7日午前8時ごろ、室蘭港中央ふ頭にシルバー・ミューズ(4万791トン)が入港した。岸壁沿いには、2枚1組の国際信号旗が立ち並ぶ。「ご安航を祈る。I wish you a pleasant voyage.」の意味が込められている。
出迎える市民らが持つ旗も同じ模様で、室蘭港を愛する会(山川明代表)は入港に合わせて、旗を振りながら出迎えているほか、出港時も同様に見送っている。
山川代表は会に入る以前から、個人でも歓迎の旗振りを続けてきた。「以前、船舶が入港した際には、商店街や飲食店内に横断幕やステッカーを用意して歓迎してきた。乗組員にとって地元での食事や交流が楽しみでもあり、見送りも合わせたおもてなしが大事。多くの客船が室蘭に寄港していることを、もっと市民に知ってもらいたい」と話す。
室蘭市民観光ボランティアガイド協議会(野村滋会長)は、タラップ近くでパンフレットやマップを配布。今回は抹茶を用意したほか、メンバーである林芳文さんが記した書道作品を並べた。「歌」「未来」「花」などの文字とともに英語表記も加えた。
乗客を待っていたタクシー運転手の男性は「国内客は市内観光、国外客は登別や洞爺に向かうことが多いですね」と述べた。野村会長は「2日にロイヤル・プリンセスが入港した際には、外国人乗船客の多くが市内のスーパーを訪れたと聞いています。地域の盛り上がりにつながればいいですね」と話した。
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