【根室】市役所の新庁舎で７日、来賓ら１５０人が出席して開庁式が開かれ、業務が始まった。旧庁舎は建設から５１年が経過し耐震基準を満たしていなかったことから、新庁舎は防災機能強化のほか、観光や北方領土学習にも活用できるよう、４階の市民交流サロンと食堂からは国後島などを望むことができるようになっている。

　根室町時代から４代目となる新庁舎は、敷地面積１万１９５０平方㍍で延べ床面積６９７５平方㍍。鉄筋コンクリート造およびプレストレスコンクリート造のの地上４階、地下１階の建物。震度７の揺れにも耐える構造を持ち、従来はなかったエレベーターも２基備えた。

　着工から２年、建設費約５８億円。大型非常発電設備などを備え、最低３日間は行政サービスを提供でき、市長室などがある３階には災害対策本部会議室や災害対策室を、４階は市民の一時避難施設としての機能も備える。

　開庁式には、姉妹都市富山県黒部市の武隈義一市長、同市議会の高野早苗議長、東京根室会の伊藤靖宏会長、札幌ねむろ会の高岡浩行副会長、協力関係を締結している東海大学、道科学大学の関係者を含め、地元勢も出席して行った。

　石垣雅敏市長は、根室の第九と表される「北国讃歌」の最終楽章から「七つ星きらめく空に高らかにかがり火あげよ」の一節を紹介しながら、「本庁舎がかがり火となり、市民の皆さまの負託に応えて、庁舎を核として子供たちが未来を語り合う場になることを望む」と式辞を述べた。

　来賓の武隈市長は「新庁舎を拠点として、市民の皆さまと共に明るい未来に向けた新たな歴史を刻まれ、姉妹都市根室市がさらに飛躍、発展すること祈念しています」と祝辞を寄せた。

　このあと、石垣市長をはじめ、校区の北斗小学校児童会の村松大誠会長、池田明莉副会長、松浦宗信道議、田塚不二男根室市議会議長、山田康志根室商工会議所会頭、島祐一町会連合会長、角鹿泰司千島歯舞諸島居住者連盟根室支部長、武隈市長の９人がテープカットを行い、新庁舎での業務開始を祝した。

テープカットで新庁舎の開庁を祝った