根室金刀比羅神社隣接地に建つ高田屋嘉兵衛像

　【根室】江戸時代に北方領土航路を開拓、根室の発展に尽力した豪商高田屋嘉兵衛と、交易船として活動していた北前船の寄港地でもある根室との関係性および地域振興の在り方を探るフォーラムが１６日午後３時から、大地みらい信用金庫本店５階大会議室（同市梅ヶ枝町）で開かれる。釧路新聞社の主催、大地みらい基金と根室市の共催。参加者をまとめている市によると、定員の４０人に達しているものの会場には余裕があるため、まだ参加可能という。

　フォーラムは、第１部が小樽商科大学客員研究員で北前船研究活用ネットワーク代表の高野宏康氏の基調講演「北前船とひがし北海道～歴史文化を活（い）かした地域振興の可能性」。２部は高野氏と根室市教育委員会の猪熊樹人学芸主査が「高田屋嘉兵衛と根室、そして北前船」と題して対談する。

　高田屋嘉兵衛は、江戸時代の廻船（かいせん）問屋として北前船で択捉島、国後島までの航路を開拓。のちの根室発展に大きく貢献し、国内屈指の漁業町となる礎をつくった。根室金刀比羅神社、根室港に浮かぶ弁天島の市杵島神社を創祀（そうし）、こんぴらさんの祭りは北海道三大祭りに数えられている。金刀比羅神社敷地内には銅像も建つ。

　フォーラムは１５日の釧路市に次いでの開催。６月２８、２９日に釧路市で「第３４回北前船寄港地フォーラム・第５回地域連携研究所ｉｎひがし北海道・くしろ」が開かれるのを前に、北前船が帰港した地域と歴史的価値や背景などについて考える機会とする。