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釧路新聞

冬の地震想定、手順確認 釧路高専で防災士ら協力、避難所体験【釧路市】

自ら考案した段ボールベッドを組み立てる学生

 釧路工業高等専門学校(大塚友彦校長)は8日、同校で1泊2日の避難所体験を実施した。複合融合演習「災害に備える」を履修する4年生14人が、これまでの演習での学びを実践した。

 同校が行う学科を超えた実習の一環で、通年で市職員や防災士から防災について学ぶ科目。避難所体験は毎年行っているが、今回初めて釧路市防災士ネットワークの防災士4人をはじめ市職員や気象台職員など、外部人材が協力した。

 避難所体験は、冬に地震が起き停電している想定で実施。学習内容に基づき受け付けや食事場所などの配置を決め、長机や暖房器具、演習内で学生が考案した段ボールベッドなどを運び込み、設営した。特製のベッドは、現場での展開が容易で保管時にかさばらない「蛇腹ベッド」と、工数削減と材料節約に重きを置いた「楽軽ベッド」の2種類で、計20床設置し、実際に一晩寝てみることで実用性を確かめた。

 設営と並行して行った食事の準備では、金属棒をこすりつけて火花を散らす「ファイヤースターター」を使った火起こしに挑戦。調理には丸太に切れ込みを入れ長時間燃えるようにしたスウェーデントーチを使い、停電時の食事供給方法を確認した。避難所設営が済んだのち、釧路地方気象台の平田圭火山防災官が地震と津波について講演。震源が海岸近くの場合、津波警報発表が津波到達に間に合わないこともあり得るとし「大きな揺れや長い揺れを感じたときは、警報を待たずに避難を」と呼び掛けた。このほか、防災士と意見交換するなどし、災害対応の理解を深めた。

 調理などを担当した益子翔伍さん(建築学科4年)は「寒さのためか火起こしに手間取り、実際にやってみることで課題点を確認できた。自宅での災害への備えに生かしたい」と話していた。

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