ワイン造りへ90歳の挑戦 日高町の馬場さん 無農薬栽培のブドウ原料に【日高】
【日高】昨年2月に、自身が育てたブドウを原料にした赤ワイン「デフィ88アン」=88歳の挑戦=を完成させた、日高町冨岡の馬場幸一さん(90)が2年ぶりのワインの完成をめざしブドウ畑と向き合っている。
町職員などを経て2013年(平成25年)に79歳で仕事を離れた馬場さんだが、かねてからの「地元の特産品を作りたい」という夢を実現しようと一念発起し、18年(平成30年)に寒さに強い「山幸」と「清舞」の2種類のワイン用のブドウの苗木7本を購入し所有する農園で栽培を始めた。徐々に規模を拡大し22年には814本、収穫量も120㌔までに増えた。
当初はブドウジュース造りを目指していたが、空知管内のワイナリーの助言を受けワイン造りに転換。22年に帯広市の「あいざわ農園」で醸造した赤ワイン86本が完成。同年5月には道の駅「樹海ロード日高」で試飲会を開いた。
その年の7月に馬場さんが体調を崩し、実ったブドウは昆虫や鳥などに食べられて収穫ができずワイン造りを断念。復調した今年、再びブドウの栽培に取り掛かった。
化学肥料を使わず無農薬で栽培。現在は日差しの強い日中を避け、早朝と夕方につるの誘引や暑さ対策などの作業を馬場さん一人でこなしている。
馬場さんの悩みは後継者がいないこと。「興味を持ってくれる人がいればぜひ声を掛けてほしい」と話す。
10月に200㌔の収穫が目標。早ければ来年2月ごろに「デフィ90アン」=90歳の挑戦=が完成する予定だ。
また、馬場さんの娘の夫がワインを販売するために必要な酒販免許の取得に向けて準備を進めているという。
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