落合さん妻が千代の山の書寄贈 福島町教委へ【北斗、福島】
【北斗、福島】昨年2月に85歳で亡くなった北斗市の郷土史家、落合治彦さんの妻、眞佐子さん(86)が、福島町出身の大相撲横綱千代の山雅信(1926~77年、本名杉村昌治)が揮毫(きごう)した書を福島町教委に寄贈した。町教委は年明けにも額装し町役場1階ロビーに常設展示する予定。
書は縦47センチ、横170センチの和紙に「攻以為守」と筆字で書かれており、9月上旬に寄贈を受けた。
書かれた年代ははっきりしていないが、自身の署名が書かれていることや、天下に並ぶ者がいないという意味から横綱を表す「日下開山(ひのしたかいざん)」の印も押印されており、横綱在位中の51年9月から59年1月の間に書かれたとみられる。
「攻以為守」は「攻めを以って守りと為す」と読み、攻めは最大の防御の意味。強烈な突っ張りで一気に攻める千代の山の取り口を象徴する書だ。
眞佐子さんによると、書は当時、落合さん宅の隣人の網元から譲り受けた。千代の山が親交のあった網元のため揮毫し、網元が引っ越しする際に落合さんが受け取ったという。
眞佐子さんは横綱の里づくりを進める町に少しでも役立てばと、落合さんと親交のあった町史研究会の中塚徹朗会長を通じ、町教委に寄贈を申し出た。町教委も千代の山直筆の書と確認した上で快く受け取り、10月18日に小野寺則之教育長が眞佐子さん宅を訪れ、感謝状を贈った。
眞佐子さんは「横綱の生まれ故郷で受け取ってもらえて何より」と話し、小野寺教育長は「貴重な品をもらいありがたい。多くの人に見てもらえるよう大切に管理していきたい」と感謝した。
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