荒木町長（右）から感謝状を受けた鈴木さん（中央右）。中央左は吉田消防長、左は菅原支署長

【様似】日高東部消防組合は１日、８月に発生した様似町字西様似の火災で、１１９番通報や初期消火など迅速な対応で被害を最小限に抑えた町内在住の鈴木勲さん（48）の功績をたたえ、感謝状を贈呈した。町役場庁舎で行われた贈呈式では、同組合副管理者の荒木輝明様似町長が謝辞を述べ鈴木さんに感謝状を手渡した。

　８月28日午後１時35分頃、鈴木さんが仕事中、軽トラックを運転し町クリーンセンターへ向かっていたところ、西様似地区の町道岡田西様似線の道路脇空き地から火があがっているのを発見。携帯電話で消防へ通報し、すぐさま、車載していた水や氷の入った25㍑のクーラーボックスと飲用水のペットボトルを使用して初期消火を行った。消防隊が到着した時には、火はほぼ鎮火状態で、被害は、空き地48・91平方㍍のみの損傷に留められた。

　火災の発生は、電線が切れて草木に引火したことが原因とみられる。現場は傾斜地で、草木が生い茂っていることから、初期消火が遅れると大規模な山火事へ発展した可能性もあったが、鈴木さんの的確な判断と冷静な対応により被害が最小限に抑えられた。感謝状は、この防火協力の多大な功績に謝意を示したもの。

　贈呈式では、日高東部消防組合の吉田泰昭消防長、菅原明浩様似支署長が立ち合う中、荒木町長から鈴木さんに感謝状と盾が手渡された。

　鈴木さんは火災発見当時の様子について「火災発生場所を一度、通り過ぎたが、黒い煙が見えたので戻ってみると火が上がっていた。『これは消さないとダメだ』と思い、たまたま荷台に積んであった水と氷のブロック使って少しでも被害を抑えたいという思いで消火にあたった」と振り返る。感謝状を受けて「今回のことで、家族でも改めて火の扱いに注意しようという防火意識を高めるきっかけになった」と話していた。

　荒木町長は「火災現場は、車通りも少なく、もう少し発見が遅れると、大きな火災になるところだった。迅速な対応に感謝する」と謝意を示した。