釧路をテーマに情報発信しているユーチューブチャンネル「ずんだマルピギアチャンネル」が好評だ。企画、運営するのは白糠町在住のユーチューバー、マルピギアさん（３７）。今年５月に投稿を始めたばかりだが、８月には登録者数６０００人を突破、「釧路ファン」を増やしている。（橋本梓）

　マルピギアさんは２００７年ごろからブログやゲーム実況などを始め、現在は主にユーチューブとニコニコ動画で活動している。ユーチューブで、夕張市の栄枯盛衰を解説した動画を見たのがきっかけで、釧路をテーマにした動画を作ろうと思い立った。

　動画は「ボイスロイド」という合成音声を用いたスタイル。釧路市、釧路町という同名の別の自治体が存在する経緯や、釧路市の人口が１９８１年の約２３万人をピークに減少の一途をたどっている現状などを分かりやすく、ユーモラスに解説している。

　９月５日現在、１６本の動画を投稿し、登録者数は６４８０人。最も視聴回数の多い動画は釧路駅前の過去と現状を紹介したもので、公開から２カ月余りで１０万回以上再生されている。マルピギアさんによると、視聴者層はほぼ男性で３０代前半が多く、直近１カ月の再生数は６・８万回ほど。

　動画のネタ探しは、グーグル検索のサジェスト（検索候補）を参考に「今、釧路の何が注目を集めているのか」を探っている。話題収集の手法は「ブログ時代の経験が役に立っている」。動画制作は、インターネットや釧路新聞など各種報道を駆使して情報収集。動画１本に費やす制作時間は長いものだと２週間にも及ぶという。くしろ港まつりや、ら・フェスタといったイベントを紹介する時は現場に赴いて様子を実況し、〝地元民〟ならではの丁寧な仕事を心掛けている。

　現在、釧路にゆかりのある著名人の動画制作を構想し、登録者数１万人超えを当面の目標としている。マルピギアさんは「非公式ならではの切り口で、釧路の魅力を世界に発信していきたい」と、活動に意欲を燃やしている。

㊤運営しているマルピギアさん（本人提供）㊦「ずんだマルピギアチャンネル」