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釧路新聞

インクルーシブ教育 視察増 花咲港小、道内各地から来根【根室】

花咲港小でインクルーシブ教育の説明を受ける室蘭市議の4人

 【根室】市教育委員会が取り組むインクルーシブ教育が注目されている。これまで市内に限られていた視察が市外から増え始めた。8月30日には室蘭市議会の会派が来根、同教育推進の現場になっている花咲港小学校(児童8人)を訪れ、取り組み状況を視察した。

 市外からの視察第1号となったのは北海道大学の教授と共に来根した北広島市、幕別町、当別町の議員7人。1日には道議会議員2人が来根した。室蘭市議会からは最大会派の市民ネット・むろらん(水江一弘会長、6人)の水江会長ら4人が訪れた。

 波岸克泰教育長からはドイツ発祥のイエナプランを参考にした「だれも取り残さない」というインクルーシブ教育の根室モデル導入の経緯を、久保木聡校長からは複式学級の利点を生かした異年齢集団が自立と共生に取り組んでいる具体例を聞き、同じ教室で児童それぞれが自分で決めた時間割に基づいて学習し、教諭がサポートしている授業を視察した。

 室蘭市議からは、児童数が増えた場合や通知表の評価方法、港小で学んだ児童の中学校進学後のギャップといった質問が飛んだ。

 久保木校長は「児童が自ら決めた学習の進度を振り返ることができる通知表を検討している。保護者向けには従来型を示したい」と応じ、中学ギャップについては波岸教育長が「中学でもマイプラン学習という手法に挑戦しており、対応は可能だと思う」と答えた。

 室蘭市では高校入試対策を理由に義務教育改革が進まないとされ、水江会長は「義務教育は教員が指導する従来の形から、子供たちが自主的に考え、進路を決めるべきと考えており、イエナプランを導入した港小の取り組みは参考になった。議会議論に生かしたい」と話した。

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