移住、交流人口拡大へ 市などワーケーション実証事業【根室】
【根室】市と市移住交流促進協議会(会長・石垣雅敏市長)は、新たな働き方として注目されている仕事と休暇を組み合わせたワーケーションの実証事業を行っている。ふるさと納税事業などを手掛けるトラストバンク(東京)の社員や家族11組25人に根室暮らし(延べ122泊)の意見を募り、今後の施策データとして活用する考えだ。
今回の実証事業は、旧教員住宅を改修した移住体験住宅2戸を活用し、8月から9月までの2カ月間、トラストバンク社員らに根室暮らしを体験してもらう。インターネット環境を整え、根室に滞在しながら仕事ができるようにしている。8月29日現在、7組18人が体験している。
同26日に根室滞在を始めたのは、同社パブリテック事業部の和田海月さん(29)=東京在住=。会社の制度と市の支援で来根した。会社の業務はコロナ後ほぼ在宅ワークになったとし、根室滞在中も「家と変わりなく、通常通り会議やクライアントとの打ち合わせもできた」と話した。
和田さんは長崎県平戸市でも同様の事業に参加しており、「根室との差はない」と語り、根室滞在に必要なものに「移動の足となる車」を挙げ、根室の魅力は「食と人」と即答。「ホタテの大きさにびっくりした。他人と関わることの少ない東京では体験できない触れ合いもあった」と笑顔を見せていた。
多様なニーズに応えるため、今回の実証事業では家族同伴も可としており、和田さんも母親、妹、めい(生後4カ月)で来根した。
市はアフターコロナの働き方の変化を捉え、根室の冷涼な気候や食文化を最大限に生かした根室型ワーケーションの確立を目指しており、移住や交流人口の拡大につなげたい考え。冬季の実験も予定している。またトラストバンクとは「ふるさと納税の寄付先で暮らしてみたい」を実現するプチ移住・交流型ワーケーションの確立に向けた連携も検討している。
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