食肉販売大手の日本ハム(大阪)が3月に発売した新商品「帯広豚丼の具」の業務用冷凍食品が、全国規模で注目を集めている。現在、食料品店や飲食業などが、豚丼の具を使用した商品を次々と展開。“丼”の枠にとどまらない斬新なものもあり、帯広と豚丼のさらなる認知度向上に期待が寄せられる。
「帯広豚丼の具」は帯広物産協会(小倉豊会長)が開発に協力し、日本甜菜製糖芽室製糖所のグラニュー糖をたれに使用。パッケージにはフードバレーとかちのロゴがプリントされており、家庭向けと業務用の2種類がある。業務用は発売開始5カ月で15万3496食の売り上げ。日本ハムマーケティング業務用営業企画部の内田康之部長は「当初の予想を上回る売り上げ。企業の採用件数も増加傾向にある」とする。
総合ディスカウントストアのドン・キホーテ西帯広店では、同商品を使用した「帯広豚丼」(438円)を総菜コーナーで5月25日から販売。月間約180食売り上げる好調さから、7月15日から全国の店舗で提供を始めた。同社は「総菜の中でも丼カテゴリーのニーズは高い。手頃で付加価値のある帯広豚丼のおいしさを楽しんでもらうため、全国販売に至った」と説明。8月31日までの予定で全国展開している。
業務用は活用の幅が広く、甘辛いたれで味付けした肉をご飯以外のものと組み合わせて“豚丼風”商品をメニュー化する動きも。大手宅配ピザチェーンのドミノ・ピザジャパン(東京)では、3月13日から北海道地域限定商品として「帯広豚丼風ピザ」(Sサイズ、持ち帰り1625円)を道内32店舗で提供している。トマトベースのソースに帯広豚丼の具とアスパラを組み合わせ、「新しい豚丼に出合える、衝撃的なおいしさ」(同社)とする。開発には登録者数256万人のYouTuber「ばんばんざい ぎし」が携わり、人気インフルエンサーの影響力もあって話題に。同商品が入った「みんなの北海道クワトロ」も合わせて、これまで2万2000枚以上を売り上げている。
同社の他、パン店や回転ずしチェーン店での採用が検討されるなど、帯広名物の「豚丼」が新形態となって発信されている。帯広物産協会の木戸善範事務局長は「帯広の名を全国の店でさまざまな形で発信してもらい、非常にありがたい」と話している。
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