60年前のトラクター修復 帯工生ら挑戦 ポルシェ・東大企画【清水】
60年ほど前のポルシェ社製トラクターを、高校生が専門家とともに修復する教育プログラム「LEARN with Porsche(ラーン・ウイズ・ポルシェ)」が3日、清水町内で始まった。高校生らは情報通信機器などに頼らず、人との関わりを通して修理部分を推理し、4日後の試乗を目指す。
LEARNは、英語の「学ぶ」「熱心に」「積極的に」「現実的に」「自然に」の頭文字から名付けられた、学校教育とは違った学びを提供する体験合宿プログラム。人との関わりを通して答えを導き出すようなカリキュラムが組まれている。東京大学先端科学技術研究センター個別最適な学び寄付研究部門と、さまざまな企業がタッグを組んで実施している。
清水町でのプログラムは、同センターとポルシェジャパン(東京)が主催している。昨年も清水町や更別村で行われ、十勝で行われるのは2回目。同センターシニアリサーチフェローの中邑賢龍さんが全体のカリキュラムを構成している。参加しているのは公募した帯広工業高校の2人を含む東京や大阪、愛知などの高校生10人。
修復作業は、清水町羽帯でホーストレッキングなどを行っている森の馬小屋(田中次郎さん経営)で行う。修復するのは1960年代前半に製造され、新得町内で保管されていたトラクター。修復は、農機具の会社に長年勤めていた池田猛さんが講師役となり、一緒に作業に当たる。
初日は、歴史の中で人の移動や農作業の主役が、馬から車やトラクターになぜ代わったかを考えるため、田中さんの指導で放牧されている馬を捕まえ、乗馬を体験した。
最後に修復する車両がお披露目された。参加者は、修復するのは空冷エンジンのポルシェとだけ知らされていたため、トラクターと分かり、スポーツカーをイメージしていた高校生は驚いていた。帯広工業高電子機械科2年の石田詢さんは「難しいかもしれないが、修復は楽しみ」と話していた。
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