初水揚げ1.5倍、価格2割高
胆振噴火湾海域(室蘭市-渡島管内森町)の毛ガニかご試験操業が20日、解禁された。21日に室蘭市の絵鞆、崎守両漁港から計7隻が出漁し、前日に仕掛けたかごを引き上げて帰港。初日の漁獲量は昨年よりも多かったが、日高沖で大量発生しているオオズワイガニが噴火湾でも多く見られ、漁業者は今後の操業を危惧している。
5隻が出漁した絵鞆漁港では、午前7時半ごろから次々と帰港。室蘭漁業協同組合、室蘭魚市場の職員が大(甲長10センチ以上)、中(同9センチ以上、10センチ未満)、小(同8センチ以上、9センチ未満)に分けて出荷した。
東町の市公設地方卸売市場には、昨年より120キロ多い360キロが入荷。価格は前年より2割高で取引された。一方、オオズワイガニも約500キロと「今までにない」(市場関係者)異例の量が入荷した。
オオズワイガニの単価は、毛ガニの1割以下。同海域の操業期間は7月12日までと限られていることから、漁業者は「ズワイガニが多くて毛ガニへの影響が心配だ」と話していた。
噴火湾の資源調査を行っている道立栽培水産試験場(舟見町)によると、ズワイガニは近年増加傾向だったが、今年になって急激に増えたという。
原因は不明だが、1980年代にも爆発的に増加した年があったことから、経過を見ている。毛ガニは噴火湾全体では前年より多いが、渡島側に集中していて、室蘭側は「昨年と同じ状況」としている。
毛ガニかご漁は資源減少の影響で、85年から漁獲枠を設けて試験操業化している。室蘭漁協の昨年の漁獲量は4・7トン(漁獲枠の47%)。一昨年の11・5トン(同100%)の半分以下だった。今年の胆振噴火湾海域の漁獲枠は昨年より7・6トン多い83・6トン。
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