夏のシマエビ漁始まる【別海】
野付湾で19日、ホッカイシマエビ漁が始まり、三角形の白い帆を張った伝統の打瀬舟(うたせぶね)が湾内を飾った。野付漁協によると初日は1・1㌧(前年1・4㌧)が出荷され、1㌔当たり7900~5350円(同5850~4700円)と昨年より高値で取引された。漁は11㌧を上限に7月7日まで行われ、同2日には4年ぶりに「えびまつり」が予定されている。
16日が解禁だったが天候条件が整わず、3日遅れの出漁となった。午前4時半に20隻以上が一斉に尾岱沼漁港を出港し、漁場ではエンジンを止め風向きを確認しながら帆を調整し、袋状の網を海中から船上にたぐり寄せると、体長9㌢以上のエビを素早く選別した。
漁歴30年以上の「第二翔亜丸」(0・7㌧)の船主山口光明さん(66)は息子の一斗さん(31)と作業に当たり、「大きさがそろっていて量も初日しては良い。今年はまつりがあるので、ゆでたてをたくさん食べてほしい」と話していた。
野付湾は水深が浅いためエビのすむアマモをスクリューで傷つけないよう漁場では動力を止め、帆に受ける風や潮の流れを利用して網を引く明治時代からの伝統漁法が続けられており、この漁法は北海道遺産に登録されている。漁は夏(6月)と秋(10月)の年2回行われる。
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