従来からある鮮魚店のイメージを払しょくし、魚離れを食い止めようと、新形態の鮮魚店2店舗が15日、室蘭市内に相次いでオープンした。両店舗ともイートインでのアルコール販売やカフェレストラン併設など、趣向を凝らした独自サービスを提供し、初日からにぎわいを見せている。
イートインコーナー設置 ヤマサン渡辺商店
中島町のシャンシャン通りには、日の出町の旧公設地方卸売市場近くから移転したヤマサン渡辺商店(山本晃弘代表取締役)が、グランドオープンを迎えた。午前9時半の開店前から行列ができる繁盛ぶり。昼前にはイートインコーナーに設けた20席がほぼ満席となった。
鮮魚コーナーにはエビ、ホタテ、カキなどが並び、特売のウナギが人気を集めた。イートインでは海鮮丼や本日の煮魚・刺身定食のほか、鮮魚コーナーの商品を店内で調理して提供した。魚介類に合うアルコールも用意し、来店客に喜ばれた。
代表取締役の山本さんは「今までとは違う客層の方にも来ていただいている。今後もサービスを充実させていきたい」と手応えを感じていた。
店舗を構えるシャンシャン共和国商店街の斉藤弘子大統領は「商店街全体にこれまでと違うにぎわいができる」と波及効果に期待していた。
カフェレストランを併設 アバカフェ
蘭西地区では、タグボートが並ぶ港を望む海岸町の一角に、海産物販売店を併設したカフェレストラン「abba cafe(アバカフェ)」がグランドオープンした。
同市の水産加工品製造販売・abba合同会社ひらつか漁業が運営。3日のプレオープン後、盛況が続く。レストランは1日60人近い利用客があるという。
人気を集めているのが、日替わりの「あら汁」(税込み150円)。カニみそや鯛(たい)など毎朝仕入れた新鮮な海産物を使い、何杯でもお代わりできるのが特長。スタッフは「朝から煮込んでいるので、だしが利いていておいしい」とPR。15日からは、自信作という鯛茶漬け(同980円)をメニューに加えた。
数量限定のホッキバターチャーハン(同620円)を三つ購入した事務職員の40代女性=港南町=は「友人がおいしいと絶賛していたので楽しみにしていた」と笑顔を見せた。
代表の平塚和美さん(46)は「室蘭の海の恵みを多くの人に届けたい」と意欲を燃やしている。
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