帯広市内の酒店前田英一商店(西5南17、三嶋一浩代表)は、自社で製造・販売していた「あまざけアイス」の製造を管内のスイーツ専門工場に委託し、ネット販売などを通して全国展開を始めた。酒かすを主原料に作る牛乳・添加物不使用のあまざけアイスは「健康や美容に効果がある」(三嶋代表)とし、全国から注目が集まっている。
同店は1953年に三嶋さんの祖父が創業し、今年で70年目。居酒屋などへの卸売りが8割で、コロナ下は厳しい経営状況に追い込まれた。「代々続く酒店の営業を継続しながらも、他に注力できることはないか」(三嶋代表)と甘酒を使った新スイーツ開発に取り組み、2020年に第1弾となる甘酒シェイクを、21年に第2弾のあまざけアイスを商品化した。
あまざけアイスは乳酸菌発酵酒かすを使用し、100%植物性で低カロリー。これまで本社での生産・販売に限っていたが、販路拡大のため十勝野スイーツ(中札内)に製造を委託し、5月上旬からネット販売を開始した。専門の工場で作ることで「食感がより滑らかになった」と三嶋代表。現在はプレーン味(80グラム、432円)のみだが、十勝産のイチゴやきな粉などを使用した味も試作中で、近く販売を予定している。
4月末から市のふるさと納税返礼品に採用され、東京のイベント出店依頼も寄せられるなど、管内外から関心を集めている。三嶋代表は「甘酒の懐かしいおいしさで、しっとり滑らかな食感にこだわった。十勝発の新スイーツを多くの人に食べてほしい」と話している。問い合わせは同店(0155・24・4831)へ。
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