「環境広場ほっかいどう２０２３」で発表した壮瞥高校の生徒たち

リンゴの廃木、木炭に

　胆振唯一の農業高校・壮瞥高校（峯田雅大校長、４９人）が全道の高校が探究活動の成果を披露する「探究チャレンジ・北海道」（道教委、北海道大主催）で、道知事賞に次ぐ札幌市長賞に輝いた。果樹園で発生する廃木を活用した地域貢献の方法として木炭での活用を提案した。

　約１７０校がエントリー。同校は市町村立・私立のカテゴリーで予選を戦い、１位で通過。本戦は３月１１日に北大であった。

　果樹の栽培が盛んな壮瞥町。同校ではリンゴを授業で育てている。果樹栽培では剪定（せんてい）枝や老木など廃木が多く発生し、廃棄されている現状があり、有効活用する方法として木炭を考えた。

　燃焼炉を改造した炭窯で、果樹園５戸から提供を受けた廃木で木炭を生産。燃焼用、消臭用、オブジェの３種類を学校行事やアンテナショップで販売。地元のコーヒー焙煎所と連携し、リンゴの木炭で焼いたコーヒーを開発した。大学の研究者からも高い評価を受け、論文で取り上げることを依頼されたという。

　本戦では代表生徒３人がポスターにまとめた内容を発表し、好成績を収めた。

　これをきっかけにＧ７環境サミットを記念した「環境広場ほっかいどう２０２３」（４月１５、１６日、札幌ドーム）で鈴木直道知事から推薦を受け、大津未里さん（３年）、長山咲矢さん（同）、平野史華さん（同）、小林暖虎さん（２年）が内容を発表した。

　４人のうち、大津さんは「選ばれたこと自体が驚きだった。札幌ドームで発表する機会はめったにないので、今後の成長につながったと思う」と話した。ほかの生徒も「他校の発表を聞くことで改善点も分かる」などと学びを深めていた。